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コラム

2023.12.05.

中南滋充 中南滋充

省エネ基準適合住宅とは? 「住宅ローン減税」から見る省エネ住宅

家づくり



こんにちは!アヤホームの中南です。

最近は、ありとあらゆるものに対して「省エネ」であることが求められています。
もちろん、家も例外ではありません。
国も省エネ住宅の普及に力を入れているため、省エネ基準を満たした住宅を購入すれば、税金面での優遇を受けられたり、補助金を受け取れたりするというメリットがあります。
では一体、「省エネ住宅」とはどういうものなのでしょうか?
具体的にはよくわからないという人のために、今回は「省エネ住宅」について解説します。

 

1. なぜ今、省エネ住宅が注目されているのか?

省エネ住宅がこれまで以上に取り沙汰されているのは、2022年に住宅ローン控除(減税)の制度変更が行われたことが第一の要因です。
住宅ローン減税とは、最大13年にわたって、各年末の住宅ローン残高の0.7%が所得税や住民税から控除される制度のこと。
以前は、どのような住宅も控除の対象になっていましたが、2024年1月以降に建築確認を受ける新築住宅においては、省エネ基準を満たした省エネ住宅でなければ、住宅ローン減税が受けられなくなってしまったのです。
また、固定金利でおなじみの「フラット35」では、2023年4月以降に設計検査申請を行う住宅については、省エネ基準適合が必須条件となっています。

さらに、国土交通省は、2025年4月以降に着工するすべての建築物に省エネ基準の適合を義務付けると発表しています(省エネ基準適合義務化)。
これも、省エネ住宅が注目されている大きな理由の一つです。現行法では、延べ床面積300㎡以上の非住宅のみに省エネ基準への適合義務が課されていましたが、2025年度以降はすべての建築物が対象となります。

 

2. そもそも、省エネ住宅とは?

「省エネ住宅」とは、家庭内で使うエネルギー消費量を抑えるための設備や建築資材を採用して建てられた住宅のことを指します。
家庭内で消費するエネルギーのうち、約30%を冷暖房が占めていると言われていますが(※)、省エネ住宅では「断熱」「日射遮蔽」「気密」の3つの住宅性能に関して対策を行うことで、冷暖房に使用されるエネルギー量を効率的に削減します。

そして、実際にどのくらい省エネができるのかを客観的に評価するために設けられた基準が「断熱等性能等級」です。現在は、等級1から最上級の等級7まで設定されています。

※参照:経済産業省 資源エネルギー庁HP
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/

 

3. 省エネ住宅の種類

2024年以降も住宅ローン減税を受けられる対象住宅は、その省エネ性能によって3段階に分類されています。1つ目は「省エネ基準適合住宅」、2つ目は「ZEH水準省エネ住宅」、3つ目は「認定住宅」です。

・省エネ基準適合住宅

断熱等性能等級4以上、かつ一次エネルギー消費量等級4以上の住宅を指します。
一次エネルギー消費量とは、住宅が一年間で消費するエネルギー量のこと。一次エネルギー消費量等級は2013年につくられた基準で、「設計一次エネルギー消費量+基準一次エネルギー消費量」の計算式で求められる「BEI」という数値で等級が決まります。BEIの数値が小さいほどエネルギー消費量が少なく、等級は高くなります。
前述の通り、フラット35を利用する予定の方は最低限、この基準を満たした住宅を購入する必要があります。

・ZEH水準省エネ住宅

断熱等性能等級5以上、かつ一次エネルギー消費量等級6以上の住宅をZEH水準の省エネ住宅といいます。
「ZEH」と「ZEH水準」の違いは、ZEHは太陽光発電などの再生エネルギーを利用して、住宅の一次エネルギーをゼロ以下にすることが要件となる一方で、ZEH水準の場合は断熱性能等級と一次エネルギー消費量等級の基準をクリアしていれば良いという点です。

・認定住宅(長期優良住宅、低炭素住宅)

認定住宅には、「長期優良住宅」と「低炭素建築物やそれに準ずる特定建築物(低炭素住宅)」の2つが該当します。

<長期優良住宅>
長期優良住宅は、長期にわたって良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅のこと。一戸建ての場合、認定を受けるためには以下の性能項目の基準を満たす必要があります。

1) 劣化対策
2) 耐震性
3) 維持管理・更新の容易性
4) 省エネルギー性
5) 居住環境
6) 住戸面積
7) 維持保全計画
8) 災害配慮
9) 可変性
10) バリアフリー性

たとえば、耐震性に関しては耐震等級2以上または免震建築物であること、省エネルギー性に関しては、断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量性能6以上を満たさなければ認定されません。

<低炭素住宅>
低炭素住宅は、日常生活において発生する二酸化炭素を抑制するための措置が講じられている住宅を指します。
低炭素住宅と認められるためには、3つの条件を満たす必要があります。
1つ目は、省エネルギー基準を超える省エネルギー性能を備えていること、かつ低炭素化促進のための対策が講じられていること。2つ目は、「都市の低炭素化促進のための基本方針」に照らし合わせて適切であること。そして3つ目は、資金計画が適切であることです。

 

4. 住宅ローン控除における違い

住宅ローン控除の年間控除額を算出する計算式は「年末残高×0.7%」。
ただし、年末残高には上限があり、その上限額は住宅の種類によって異なります。

長期優良住宅・低炭素住宅=4,500万円
ZEH水準省エネ住宅=3,500万円
省エネ基準適合住宅=3,000万円

つまり、省エネ性能が高ければ高いほど、税制優遇が手厚くなるということです。

 

5. その他の税金優遇

省エネ住宅では、住宅ローン減税において所得税の優遇を受けられますが、その他の税金に関しても優遇措置が設けられています。

・不動産取得税
不動産取得税は、住宅や土地などの不動産を取得した際に納める税金のこと。税額は、不動産の固定資産税評価額によって決まりますが、長期優良住宅の場合は控除額が大きくなります。

・登録免許税
住宅を購入すると、所有権の保存登記をすることとなりますが、登記申請の際には登録免許税を納めなければなりません。住宅ローンを利用する場合には、抵当権設定登記も必要です。
長期優良住宅や低炭素住宅の場合、それらの登記に対して軽減税率が適用されます。

・固定資産税
長期優良住宅を取得した場合、5年間にわたって固定資産税額が半額になります。通常の一戸建てでも半額になりますが、その期間は3年です。

 

6. 省エネ住宅を購入するメリット・デメリット

このように、省エネ住宅を購入するとメリットばかりのように見えますが、やはりデメリットも存在します。
メリットとデメリットのどちらも把握しておくことで、安心の家づくりが叶うでしょう。

・メリット
高い断熱・気密性や日射遮蔽によって光熱費を抑えながら、快適に過ごせるのが何よりのメリットです。同時に、環境への負荷も減らすことができます。
また、前述の通り、省エネ性能が高ければ高いほど、住宅ローン控除の限度額が高くなります。その他の税金についても優遇が受けられるのは、大きなメリットといえるでしょう。

・デメリット
省エネ住宅のデメリットはずばり、コストです。省エネ性能を高めるためにはもちろん、通常の住宅より初期コストがかかってしまいます。
ただし、これまでにお伝えした通り、省エネ住宅では光熱費を削減でき、家も長持ちします。長い目で見れば、決して損とはいえません。導入コストだけでなく、長期的な視点での資金計画を考えることが大切といえるのではないでしょうか。

 

7. まずはご相談を!

アヤホームには、ファイナンシャルプランナーが多数在籍しています。
お得で快適、安心の家づくりを叶えたい方は、ぜひ家のプロであり、かつお金のプロでもある私たちにご相談ください。
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中南滋充

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中南滋充

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