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コラム

2024.02.29.

中南滋充 中南滋充

最新トレンドカラーも紹介!アクセントクロスの選び方とカラーコーディネートのコツ

家づくり



近年、「アクセントクロス」を取り入れるお家が増えています。
アクセントクロスとは、部屋の壁の一部に色や柄のある壁紙を貼り、デザインにアクセントを加える手法です。真っ白の壁もシンプルで良いのですが、部分的に華やかなクロスを貼ることで空間のイメージがガラリと変わり、おしゃれな雰囲気になります。しかし、壁紙は実際に貼ってみないとなかなかイメージが湧きにくく、素人にはチョイスが難しいもの。今回は、アクセントクロスの失敗しない選び方をご紹介します。

 

色の基本


アクセントクロスを選ぶ前に、まずは色の基本を理解しておくととても役立ちます。色には「色の三属性」というものがあり、「色相」「明度」「彩度」で表します。



色相


色相には「暖色」「寒色」「中間色」があり、それぞれ以下のような効果があります。

暖色⋯赤・オレンジ・黄色など(ぬくもりを感じる、元気な印象)→進出色(前に飛び出して主張して見える)
寒色⋯青・青紫など(涼しい印象、鎮静感)→後退色(後ろに下がって落ち着いて見える)
中間色⋯緑・紫など(暖色と寒色、どちらでもない色)

温もり・にぎやかなイメージをもたせたいなら暖色系を、涼しげ・落ち着いた雰囲気にしたいなら寒色系を選ぶのがベターです。


明度


色の明るさを表します。より白に近い色は「明るい色」、黒に近い色は「暗い色」とされます。例えば赤の場合、明度が高くなる(白に近くなる)とピンク系になり、明度が低くなる(黒に近くなる)とマルーンやボルドーといった暗い赤になります。明度の違いによって、以下のような効果があります。
明度の高い色(白に近い)⋯ライトグリーン、ペールブルー、パステルカラーなど
→軽い、柔らかい、明るい、開放的、部屋が広く見える
明度の低い色(黒に近い)⋯ダークブラウン、ダークグレー、ディープブルーなど
→重い、硬い、重厚感、高級感、部屋が狭く見える

「狭い部屋を広く見せたい」「明るく可愛らしい雰囲気にしたい」場合は明度の高い色。
「落ち着ける・大人っぽい雰囲気にしたい」ときは暗めの色、という風に使い分けます。


彩度


色の鮮やかさを表し、彩度が高い色はビビットカラーとも呼ばれる鮮やかな色、彩度が低い色は白やグレー、黒に近い色で、近年人気のくすみカラーのような色です。白やグレー、黒などは無彩色とされ、彩度ゼロとされています。彩度の差で以下のように印象に差が出ます。

彩度の高い色(ビビットカラー)
→派手、エネルギッシュ、ぱっと目をひきつける、個性的、落ち着かないことも
彩度の低い色(くすみカラー)
→優しい、柔らかい、落ち着いた印象になる、地味な印象になることも

同じ赤でも、ビビッドな赤とくすんだ赤とでは部屋の印象が大きく異なります。ビビッドカラーはパッと目を引きますが、彩度が高すぎると目がチカチカして落ち着かない部屋になることも。近年人気のくすみカラーは、落ち着いた雰囲気を演出します。


色の持つイメージ


色にはそれぞれ人に与える印象や心理的に与える効果があります。以下を参考にしてみてください。
赤…興奮作用、食欲アップ、温かみ
青⋯集中力アップ、涼しさ、安眠
黄⋯明るい気持ち、楽しい雰囲気
緑⋯安らぎ、リラックスできる空間
紫⋯上品なイメージ
ピンク⋯かわいらしい、幸福感、穏やかさ
茶⋯緊張を和らげる、大人っぽい
白⋯清潔感、広々と明るい空間に
グレー⋯落ち着いた雰囲気、洗練
黒⋯高級感、重厚感、落ち着いた雰囲気

「家族で賑やかに過ごすリビングには赤」「寝室には安眠できそうな青」など、部屋の用途に合わせて色を選ぶと居心地が良くなります。



2024年のトレンドカラーは?


PANTONE社から発表された2024年のトレンドカラーは「Peach Fuzz」という色でした。柔らかさや優しさ、内側からの安らぎと現代的な美しさをもたらすと表現されています。このPeach Fuzzをインテリアに取り入れると、空間にあたたかな雰囲気や優しい印象が生まれます。アクセントクロスやファブリック、カーテンなどに取り入れるのがおすすめです。


アクセントクロスを選ぶコツ


色の基本をおさえたら、コーディネートもしやすくなります。ここからは実際にアクセントクロスを選ぶ際のコツをお伝えします。


①どんな空間にしたいか考える


「家族みんなで過ごす場所なので、元気が出る明るい印象にしたい」「寝る場所なので、より落ち着いた雰囲気にしたい」など、まずはそこがどんな場所か、どんな印象の空間であってほしいのかを考えます。明るい印象にしたいのであれば、明度や彩度の高い色や、柄物などを大胆に取り入れるのも◎。落ち着いた場所にしたいのであれば、暗めのトーンやアースカラーを取り入れるとうまくいきます。


②部屋の20〜30%がベスト


せっかく選ぶアクセントクロス、大きく使いたいな⋯と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、面積を大きくしすぎるとかなり派手な印象になってしまうことが多いです。理想的な面積は部屋の壁面積の20〜30%と言われており、部屋の四面の壁のうち一面をアクセントクロスにするくらいがちょうど良いと言われています。それ以上になると、バランスが崩れて空間が騒がしく見えることもあります。



③メリハリをしっかりつける


色柄ものの壁紙を選ぶのは、どうしても勇気がいるもの。失敗しないようにと、薄い色や地味な柄のみのを選びがちです。しかし、3面を白、1面をベージュ、のように微妙な差の選び方をすると、1面が汚れて見えたり、ぼやけた印象になったりすることがあり、せっかくのアクセントクロスが逆効果になってしまうことも。思い切ってメリハリをつけた色柄のものを選ぶ方が、実は失敗が少ないです。


④ 床や家具との相性も考慮して


家具や床、建具などの色との相性はしっかり考えておきたいところ。特に面積の大きい床やカーテン、なかなか交換がきかないドアなどとの相性は、しっかり考慮しましょう。色味を揃えて同じトーンにするか、逆に思い切って反対色にして部屋全体のバランスを取るのがおすすめです。


⑤大きめのサンプルで色柄を確認する


大抵はメーカーのサンプルブックや実物サンプルを見て選ぶことになりますが、そのときに覚えておきたいのが、「サンプルより実物の方が、淡く明るい色に見える」ということ。なるべく大きめのサンプルで確認し、一段階濃いめ・暗めの色を選ぶと失敗が少ないです。


注意すべき色や柄は?


折下げ天井のいちばんのメリットは、空間にメリハリが出ること。広い空間の一部を折下げ天井にすることで空間のアクセントになり、メリハリが生まれます。折下げた天井部分にはアクセントクロスを取り入れたり、他の部分とは異なる材質のものでつくったりするのがおすすめ。他の天井がホワイトの場合、折下げ天井部分はダークカラーや濃い色のものを取り入れると、より折下げた部分が際立って空間がぐっと引き締まります。



クロスの貼り替えはDIYでできる?


クロスの貼り替えは自分で行うこともできます。以下の手順を参考にしてください。


壁紙を剥がして下地処理をする


クロスの貼り替えを自分で行う場合は、まず下地処理が必要になります。既存の壁紙を剥がし、コンセントのパネルは外して、壁紙が残ったところにできる段差をパテで埋めて平らにします。そのまま1日以上おき、パテが乾燥したら紙やすりで壁を平らにならします。ベニヤ板や石膏ボードなど、凹凸がない壁にクロスを貼る場合は下地処理は不要ですが、ペンキ塗装や化粧合板などツルツルした壁にクロスを貼る場合は下地処理が必須となります。


壁紙を貼る


初心者が自分で壁紙を貼る場合、のり付きの壁紙がおすすめ。自分でのりを用意して塗布する必要がないため、難易度が低くなります。
下地処理を行った壁にマスキングテープで垂直の線を引き、壁紙を真っ直ぐに貼れるようにします。そして、貼り替える周辺に新聞紙やビニール袋を使って養生を行ってください。クロスは天井の高さ+10cmでカットします。柄物のクロスの場合は、柄を合わせておきます。
のりをカバーしているフィルムを剥がし、上下5cm程度の余白を残しておおよその位置で軽く貼り付けます。壁紙の左端を垂直の線を目印に真っ直ぐ貼り、壁紙を左から右に手でなでて空気を抜きながら貼り付けていきます。その後はなでバケで空気を抜きながら貼る作業を繰り返します。


仕上げ


クロスの上下のあまり部分にヘラで折り目をつけ、地ベラを押し当ててカッターで余分な壁紙を切ります。
周りの壁や床に糊がついた場合は、濡らして硬く絞ったスポンジで拭き取ります。
2枚目以降は隣の壁紙と数ミリ重なるようにして貼り、同じ工程を繰り返します。


重なり部分を処理する


最後に壁紙同士の重なり合う部分は、重なった真ん中に地ベラを押し当て、壁紙を2枚重ねてカッターで切ります。1枚目と2枚目の切り取った壁紙を取り除き、つなぎ目をジョイントローラーで圧着します。

 

クロスの貼り替えの注意点


クロス貼り替え時は下地処理が必要になり、少しでも壁に凹凸が残っていると壁紙がうまく貼れません。
また、柄物のクロスを貼る際は柄のパターンを考慮しながら貼る必要があります。目立つ場所で柄が切り替わらないように注意するほか、柄が不自然にならないよう繋ぎ目には十分注意が必要です。

アクセントクロスを選ぶ際は、「色相」「明度」「彩度」といった「色の三属性」を意識しながら選ぶほか、色の持つイメージとその部屋の用途や目的を照らし合わせながら考えるとうまくいきます。アクセントはつけすぎず、全体の20〜30%程度にとどめるのがポイントです。また、DIYで貼り替えることも可能ですが、下地処理や貼り付け作業にはコツと技術が必要。信頼できる業者さんに依頼する方が安心です。

 

中南滋充

営業スタッフ

中南滋充

SHIGEMITSU NAKAMINAMI

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